本来骨盤のほぼ中央にあるはずの子宮が膣の中に落ちこんでしまった状態を「子宮下垂」、さらに下垂が進み膣口から体外にはみ出してしまった状態を「子宮脱」といいます。急激な肥満や高齢出産、長時間分娩、多産、胎児が大きいといった理由で分娩時に骨盤底筋がゆるみ、産後も戻らない場合こうした症状が起きやすくなります。なお、年齢とともに筋肉の力が弱まって子宮が下がっていくことから、患者には高齢者が多いのが特徴です。
◆ 子宮下垂
◆ 子宮脱
命にかかわる病気ではありませんが、継続的不快感や場合により歩行困難等につながる恐れもあるため、骨盤底筋の運動を行い予防・回復に努めましょう。ペッサリーなどで一時的矯正をはかり、エストロゲンの補充療法を行うのも効果があります。
症状が悪化すると、手術などの治療が必要となるので、性器の下垂感や脱出感がみられたらすぐ産婦人科を受診しましょう。